【Mizuno-CH中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版Vol.28 (2019年8月20日発行)

2019-11-28

【水野コンサルタンシー中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版 Vol.28 (2019 年 8 月 20 日発行)

【INDEX】 - [【中越ビジネスマニュアル 第 28 回】 中国・ベトナムにおける外資企業の国内持ち分出資について](#中国・ベトナムにおける外資企業の国内持ち分出資について)

【中越ビジネスマニュアル 第 28 回】

中国・ベトナムにおける外資企業の国内持ち分出資について

中国、ベトナム内に設立した外資企業が、国内で持ち分出資して、子会社を作る事はできるのでしょうか。その場合は、どの様な制限があるのでしょうか。

【中国の場合】

中国において、「持ち分出資」の営業許可を取得できる外資企業は、原則として(上海のプライベートエクイティファンドなどを除いて)、外資投資性公司のみです。

ただし、それ以外の外資企業、つまり、持ち分出資の営業許可がない外資企業でも、一定条件のもとに持ち分出資を行う事ができます。この概要は、以下の通りです。

<1> 根拠法

投資性公司以外の外資企業の持ち分出資の根拠となるのは、「外商投資企業の国内投資に関する暫定規定(対外貿易経済合作部・国家工商行政管理局令[2000]第6号)」です。

当該規定は、「外商投資企業の審査認可登記管理の法律適用に関する若干の問題の執行意見(工商外企字[2006]120 号)」・「一部の規則及び規範性文書の改訂に関する決定(商務部令 2015 年第2号)」により規制緩和されています。

当初は、持ち分出資する外資企業に対して、「資本金全額払い込み済」、「利益計上」、「違法歴無し」、「持ち分出資金額は自己資本の 50%以内」という制限を課していましたが、規制緩和により撤廃されています。

<2> 出資手続き

中国の会社設立制度では、工商行政管理局(市場監督局)で企業登記を行いますが、外資企業の場合は、ここでの会社登記前に、商務主管部門での設立許可(非ネガティブリスト企業の場合は、備案)が必要となります。

ただし、投資性公司以外の外資企業が行う国内持ち分出資は、内国出資扱いですので、設立された子会社は、内資企業となります。よって、商務主管部門での設立許可は不要ですが、外資規制の抜け道にならないよう、外商投資産業指導目録の制限分類企業の場合は、商務主管部門での許可取得が義務付けられています。

<3> 出資枠

持ち分出資金額を、自己資本の 50%以内とする制限は撤廃されている事は上記の通りです。

ただ、中国の銀行口座管理上、資本性口座(資本金口座、外債口座、借入金口座など)の用途は、経営範囲に合致した内容に限定されています。よって、投資性公司以外の外資企業は、これらの口座内の資金を、持ち分出資に使用する事はできません。よって、経常性口座内資金の範囲で、持ち分出資が認められます(注)。

注:法律上は、匯発[2015]19 号・匯発[2016]16 号により、資本金口座・外債口座内資金の持ち分出資使用が認められましたが、実務上、依然として認められません。

【ベトナムの場合】

ベトナムでは、投資禁止分野や外資規制分野以外への外資企業による「持ち分出資」の子会社設立は、原則として認められています。この概要は、以下の通りです。

<1> 根拠法

組織・個人は、原則としてベトナム国内において企業を設立する権利が認められています(企業法番号/68/2014/QH13 第 18 条第1項)。同法同条第2項には、例外として企業設立の権利が認められない組織が定められていますが、当該規定に外資企業は含まれていないため、外資企業も企業設立の権利を有する組織に該当することとなります。また、外資企業を含む有限会社・株式会社においては、社員総会(または会社所有者)・取締役会の権限として子会社の設立が認められています(同法第 56 条第2項、第 75 条第1項、第 149 条第2項)。

<2> 出資手続き

ベトナムの会社設立制度では、計画投資局(DPI:Department of Planing and Investment)で企業登記を行いますが、外資企業の場合、ここでの会社登記前に投資登記証(IRC:Investment Registration Certificate)の取得が必要となります(投資法番号/67/2014/QH13 第 36 条第1項)。投資法上の外資企業とは、(1)外国投資家が定款資本の 51%以上を保有する会社、(2)外国投資家が定款資本の 51%以上を保有する外資企業が定款資本の 51%以上を保有する会社、(3)外国投資家と外国投資家が定款資本の 51%以上を保有する外資企業が定款資本の 51%以上を保有する会社となります。従って、外資企業が行う国内持ち分出資が上記(2)・(3)に該当する場合、投資登記証の取得が必要となりますが、それ以外の場合は不要となります(同法第 23 条第1項第2項)。

<3> 出資枠

自己資本を基準とした持ち分出資金額への制限は、投資法上、特にありません。ただ、ベトナムの銀行口座管理上、資本口座は、資本金の入金、借入金の入出金等の用途に限定されますので、外資企業は、資本口座内の資金を、持ち分出資に使用する事はできません。よって、経常性口座内資金の範囲で、持ち分出資が認められます。

以上


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