【Mizuno-CH 中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版 Vol.17 (2018 年 9 月 19 日発行)

2019-04-03

【水野コンサルタンシー中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版 Vol.17 (2018 年 9 月 19 日発行)

【中越ビジネスマニュアル 第 17 回】

中国・ベトナムにおける外資企業の資本金制度

中国、ベトナムに外資企業を設立する場合の資本金制度について解説します。

【中国の場合】

  • 資本金額
    外資企業の資本金設定は、「会社法」、「業法」、「総投資と資本金の比率」を考慮して決める事になります。但し、会社法は、2014 年 3 月 1 日の改正により最低資本金基準が撤廃されましたし(改定前も 3 万元という低い金額であり、外資企業の基準としては実質的に機能していなかった)、業法の最低資本金基準は、徐々に廃止されています(インターネットなど、一部業種では依然として制限あり)。よって、総投資と資本金の比率を基準とするのが、標準的な考え方です。

    総投資と資本金の比率(工商企字[1987]38 号)とは、会社設立に必要となる資金の合計額(=総投資)に対して、一定の資本金比率を要求するもので、総投資金額が低い場合(US$300 万以下)は、70%以上の資本金比率が要求されます。
    但し、生産型企業に付いては、「投資強度」という基準が設定されており、実質的にはこの基準で資本金額が決まります。投資強度とは、使用する工業用地の面積に基づいて、1 平米あたりの最低総投資額が指定されるものです(最低総投資額要求は、場所によって金額が異なる)。この基準で総投資額が決まったのちに、総投資と資本金の比率で資本金額が決まる事になります。

  • 資本金の払い込み
    資本金は、現金出資(外貨、クロスボーダー人民元による銀行振込)、設備機械・無形資産による現物出資が認められています。法制度上は、不動産による現物出資も可能ですが、実務的には、これは中国出資者を想定したもので、外国企業の不動産による現物出資は困難です。更に、2006 年より、外国企業の中国内不動産の購入は原則禁止されていますので(駐在員事務所のオフィスビル購入のみ可能)、その意味でも、殆ど事例がなくなっています。

    尚、資本金の払い込み期限は、かつては 2 年以内に制限されていましたが、2014 年の会社法改定により、期限は撤廃されました。払い込み期限は定款に記載する必要が有りますが、「会社の経営期限内での払い込み」と規定すれば、経営期限内で、現地法人の資金需要を見ながら、任意の金額を払い込んでいくことも可能です。

【ベトナムの場合】

  • 資本金額
    金融業、不動産業など一部の事業分野には、最低資本額が政令等で定められていますが、原則として、外資・内資の区別なく、最低資本額は定められていません。但し、実際の設立申請におきましては、ライセンス発行当局は、同業他社の資本額を参照しますので、明らかに事業遂行上必要となる資金を賄えない金額での申請は困難となります。従いまして、法人設立申請者は、しっかりとフィージビリティスタディーを行い、資金需要を確認したうえで、資本額の設定を行うことが重要となります。

    設立申請書には、総投資と資本金を記載しますが、総投資とは、プロジェクト(事業)の必要資金総額を指しますので、資本金に契約期間 1 年超の借入予定額を加えた金額となります。総投資と資本金の比率に関する規定はありませんが、旧外国投資法下では、資本金は総投資額の 30%以上であることが求められていましたので、実務上、この比率を参考に設定を行います。

  • 資本金の払い込み
    資本金は、現金出資(流通性のある外貨、ベトナムドンによる銀行振込)、設備機械・無形資産による現物出資が認められています。法制度上は、土地使用権による現物出資も可能ですが、実務的には、これはベトナム出資者を想定したもので、外国企業の土地使用権による現物出資は困難です。

    尚、資本金の払い込みですが、2015 年 7 月以前は、有限会社には、設立から 36 ヶ月以内の資本金の払い込みが認められていましたが、企業法改定により、現在は株式会社と同様に法人登記から 90 日以内の払い込みが有限会社にも求められています。

以上


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