中国における外国人個人の銀行口座開設と国外カード使用 執筆日:2022年3月29日

2022-03-29

執筆日:2022 年 3 月 29 日

中国における外国人個人の銀行口座開設と国外カード使用

中国における外国人の銀行口座開設は、2017 年より規制強化されました。

それ以前は、外国人非居住者でも、銀行にパスポートなどの身分証明書を提示すれば、口座の開設は可能でした(人民元・外貨のマルチ口座の開設が可能)。

それが、世界的な資金洗浄、脱税規制の一環で、「非居住者金融口座の税務状況調査管理弁法(国家税務総局・財政部・人民銀行・銀行業監督管理委員会・証券監督管理委員会・保険監督管理委員会公告 2017 年第 14 号)」が公布され、2017 年 7 月 1 日より、管理が強化されました。

ただ、14 号公告の内容自体は、非居住者個人の中国内銀行口座開設を禁止するものではなく、「居住地の納税番号提示(日本人の場合は、原則としてマイナンバー)」を義務付けるものに過ぎません。これは、国際的な租税回避行為・資金洗浄行為に対する規制としては、合理的な対応と言えます。

但し、その後、外国人全般に対する銀行口座管理が強化され、銀行、更には、同銀行でも支店によって対応が異なりましたが、概ね 1 年後(2018 年夏頃)には、全ての銀行で、中国で居留許可を有する外国人しか、銀行口座は開設できないようになりました。

尚、銀行口座開設に際して、パスポート情報だけ登録するか(この場合、パスポートが変わらない限り、銀行手続は不要)、居留証情報も登録するか(この場合、パスポートだけでなく、居留許可の更新が有る度に銀行手続をしないと、使用が制限される)は、銀行・支店によって、実務運用状況が異なっています。

2.中国で発行されたカードの国外使用

「銀行カードの国外での大口現金引出取引の規範化に関する通知(匯発[2017]29 号)」により、2017 年 12 月 29 日より、国外での現金引き出しは、一人、1 日 1 万元以内、且つ、年間(暦年)一人 10 万元以内に制限されています。

これを超過する引出を行った場合、当該年度と翌年度の国外引出が、暫定的に禁止されます。

因みに、それ以前は、「銀聯人民元カードによる国外現金引出管理の一層の強化に関する通知(匯発[2015]40 号)・失効」により、カード 1 枚当たり上記の金額でしたが、2017 年より一人当たりに変更されました。