非貿易項目(無形資産・役務・サービス等)の対外送金に関わる税務許可 掲載日:2014年9月4日

2014-10-28

掲載日:2014 年 9 月 4 日

非貿易項目(無形資産・役務・サービス等)の対外送金に関わる税務許可

<ポイント> 一回の送金額が US$5 万を超過する、非貿易項目の送金に際しては、所管税務局で事前登記を行う必要がある。登記時に、実質的な審査が行われる。

①  税務局の事前許可の取得

2013 年 9 月 1 日に、「サービス貿易に係る外貨管理法規印刷・公布についての通知(匯発[2013]30 号)」・「サービス貿易等の項目の対外支払税務備案に係る問題についての公告(国家税務総局・国家外貨管理局公告 2013 年第 40 号)」が施行され、国内機構・個人が 1 件当たり US$5 万超のサービス項目の対外送金を行う場合(一定の免除項目を除く)、主管税務局での事前登記が義務付けられた。
⇒ 以前は、US$3 万超が基準であったため(匯発[2008]64 号)、規制緩和となった。

一方で、規制逃れの分割送金等に対する監視制度が実施されたため、実務的には規制強化となっているケースも有る。

②  送金時の源泉徴収証明提示義務

2000 年 1 月 1 日~ 2008 年 12 月 31 日までは、非貿易項目の送金を行う際には、送金銀行に、企業所得税・営業税の源泉徴収証明(完税証明)を提示する必要があった(中国での課税が免除される項目に付いては、免税証明を取得の上提示)。
⇒ 「非貿易項目及び資本項目の一部の外貨送金に関して税務証憑を提示する事に関する通知(匯発[1999]372 号)」。

但し、源泉徴収証明の提示義務は、2009 年 1 月 1 日に廃止された(匯発[2008]64 号)。
⇒ 送金時の源泉徴収証明書の提示義務が無くなっただけであり、納税義務が免除された訳ではないので、この点、注意を要する。

③  事前登記免除項目

国家税務総局・国家外貨管理局令 2013 年第 40 号では、以下に列記する項目の対外支払いを行う場合、所管税務局での事前登記を免除している。
● 国外で発生した国内機構の出張・会議・商品展示即売等の各種費用。
● 国内機構の国外代表機構のオフィス経費、及び国内機構の国外工事請負の工事代金。
● 国外で発生した国内機構の輸出入貿易コミッション・保険料・賠償金。
● 輸入貿易において国外機構が取得した国際運輸費用。
● 保険における保険料・保険金等の関連費用。
● 運輸もしくは遠洋漁業に従事する国内機構が国外で発生した修理・燃料・港湾諸費用等の各種費用。
● 国内旅行社が従事する海外旅行業務のツアー料及び予約代行・手続代行を行った宿泊・交通等の関連費用。
● アジア開発銀行及び世界銀行グループ傘下の国際金融会社が中国から取得する所得もしくは収入(合弁企業に投資し分配を受けた利益、株式譲渡所得・中国における財産・不動産の賃貸、もしくは譲渡収入及び当国国内機構に貸付を行い取得した利息を含む)。
● 外国政府及び国際金融組織が当国に提供する外国政府貸付、及び、国際金融組織の貸付における利息。
● 外貨指定銀行もしくは財務公司自身の国外借入・国外インターバンクコールローン・輸入代理決済及びその他の債務等の対外融資における利息。
● 省級以上の国家機関の対外無償寄贈援助資金。
● 国内証券会社もしくは登記決済会社が国外機構もしくは国外個人に支払う、法に則り取得した配当・特別配当・利息収入及び有価証券販売により得た収益。
● 国内個人の海外留学・旅行・親族訪問等私的な外貨使用。
● 国内機構及び個人が行うサービス貿易・収益及び経常移転における外貨返金。
● 国家が規定するその他の状況。