重要法令等の解説(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.298

2026-08-21

【中国ビジネス・トレンド】

重要法令等の解説(簡易版)

1.電気電子製品における有害物質使用制限適合管理目録(2026年版)の公布

中華人民共和国工業情報化部公告2026年第11号

電気電子製品における有害物質の発生源削減及び代替を強化するため、工業情報化部等8部門は2026年版「電気電子製品有害物質使用制限適合管理目録」及び「例外リスト」を公布しました。2018年版と比較した主な変更点及びポイントは以下の通りです。
1)規制範囲の拡大
従来の12品目を10品目に統合するとともに、新たに23品目が追加され、合計33品目が規制対象となりました。新規追加品目には、工業用洗濯機械、空気清浄機、浄水器、食器洗い機、電気オーブン、電子レンジ、電気炊飯器、掃除機、ロボット掃除機、家庭用ガス瞬間湯沸かし器、プロジェクター、スマートスピーカー、電子スマートロック、サーバー、ネットワーク用スイッチングルーティング設備、スマートウォッチ・スマートバンド、ヘッドホン、モバイルバッテリー、学習用デスクライト、電動玩具、電子血圧計、血糖値計、補聴器等が含まれます。

2)規制物質の明確化
従来の鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテルに加え、4種のフタル酸エステル(DEHP、BBP、DBP、DIBP)が新たに追加され、合計10種の有害物質となりました。

3)実施時期
既存品目:2026年5月28日より実施
新規追加23品目:2027年8月1日より実施

4)例外リスト
特定用途における有害物質の含有量基準について、56項目の適用除外条項が設けられています。

2.税関による輸出入化粧品の検疫・検査監督管理弁法

中華人民共和国税関による輸出入化粧品の検疫・検査監督管理弁法(税関総署令第284号)

税関総署は、輸出入化粧品の安全監督管理を強化するため、「中華人民共和国税関による輸出入化粧品の検疫・検査監督管理弁法」(税関総署令第284号)を公布しました。従来の「輸出入化粧品の検疫・検査監督管理弁法」(2011年公布、2018年修正)と比較した主な変更点は以下の通りです。
1)税関における2つの届出管理を廃止
・旧規定では、税関は輸入化粧品の荷受人に対して届出管理を実施していましたが、新規定では届出管理が廃止されました。
・旧規定では、税関総署は輸出化粧品の生産企業に対して届出管理を実施していましたが、新規定では届出管理が廃止されました。
以下、略

3.鉄鋼業界生産能力置換実施弁法の公布

工業情報化部による鉄鋼業界生産能力置換実施弁法の配布に関する通知(工信部原〔2026〕97号)

鉄鋼業界の減量と質的向上を促進するため、工業情報化部は新版の「鉄鋼業界生産能力置換実施弁法」を公布しました。2021年版と比較した主な改正内容は以下の通りです。
1)地域差の撤廃と全国一律での置換比率引上げ
全国の製鉄・製鋼の生産能力置換比率はいずれも1.5:1以上とします(旧政策:重点地域1.5:1、その他地域1.25:1)。合併・再編による置換比率は1.25:1以上とします(旧政策:重点地域1.25:1、その他地域1.1:1)。

注:「置換比率」とは、退出生産能力と建設生産能力の比率を指します。「1.5:1」は、新たに1トンの生産能力を建設する場合、少なくとも1.5トンの古い生産能力を淘汰しなければならず、総生産能力の純減を確保するということを意味しています。
以下、略

4.「特定国家(地域)向け向精神薬原料化学品輸出管理目録」の調整

商務部等5部門による「特定国家(地域)向け向精神薬原料化学品輸出管理目録」の調整に関する公告

向精神薬原料化学品の輸出管理業務をより適切に行うため、2026年5月22日、商務部等5部門は「特定国家(地域)向け向精神薬原料化学品輸出管理目録」の調整に関する公告を発表し、新たに3品目を規制対象に追加しました。以下、略

5.中華人民共和国行政復議法実施条例の公布

中華人民共和国行政復議法実施条例(中華人民共和国国務院令第836号)

行政復議とは、行政処分等を受けた企業・個人が、より上位の行政機関に対し、当該処分の合法性や合理性について再審査を申し立てる行政内部の救済制度です。行政訴訟に比べ、手続が簡便で費用も低く(無料)、原則60日以内に解決されるのが特徴です。
「中華人民共和国行政復議法」(2023年改正)との整合性を図り、行政復議手続きに関する規定を細分化するため、国務院は今回改正された「中華人民共和国行政復議法実施条例」を公布しました。2007年の旧版と比較した今回の主な改正内容及びポイントは以下の通りです。
1)行政復議を申請することができる事由の追加(第九条、第十条)
(1)深刻な失信主体リストへの登録決定、又は失信是正措置に不服がある場合。
(2)行政機関と締結した政府特許経営契約や土地・家屋の収用補償等の行政契約に起因する紛争。
以下、略